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 今回は、眼鏡オタク養成講座の付属企画として《金属フレームの表示(特にチタン関係)》について解説させていただきます。なお『眼鏡オタク養成講座』にて、予告してから随分遅くなってしまった事を、まずお詫びいたします。ちょっと分かりにくい部分もあるかと思いますが、よかったら暇のときにでも読んでみてください。


 チタン材が登場した当初は『含有比率や表示方法』などの規定が無かった為に、チタンなど、ほんの一部しか使われていないのに《チタン製》と表示してあるような”粗悪品”などが市場に蔓延していました(ただし、規定がナイのだから違法とかでは無かったのですが.......)。現在では《公正取引法》により《右表》のようなガイドラインにしたがって《品質表示》をする事が、義務付けられています(分かりやすいように表現は変えてあります)。基本的にチタン材は軽くて硬いので《眼鏡用母材》としては優れている面が多いのですが、硬過ぎて加工性が悪い(難削材)のが欠点だと考えられています。日本では『チタン製』などと言われても比較的”普通”のように考えられていますが"ヨーロッパ等"でさえ、一部の工場以外、加工技術が確立されていないのが現状です。その為、欧米系『有名ブランド』の場合ですと《made in ○○○○》と書いてはあっても、実際は日本で製作されたものが《逆輸入品》として、入って来ている事が多かったのです。
 さて、問題の《純チタン》との表示なのですが、本当に100%ピュアチタンで完全に”眼鏡”を製作出来る工場は《日本》でも、そう沢山は無いと言われています。その為、現在では《チタンの特製》を損なわない程度に《チタン以外の原材料》を10%以内で混ぜたモノを【TITAN-P】と表示して、《純チタン》の表示として考えています。また、前に【T−】が付いた場合にはテンプル部分のみを対象として以降に表示された材質が使われている事を意味しています。同じように【F−】が付いている場合は、フロント部分限定で.......の意味になりますね!?
TITAN-P
(Ti-P)
原材料に純チタンが90%以上含まれているとの表示です。基本的に純チタンの表示と思ってください。
TITAN
(Ti)
原材料に純チタンが90%迄は含まれていない場合の表示です。チタンベースの合金で製作してある事を示しています。
TITAN-C クラッチドチタン材を使ってフレームを製作してありますとの表示です。クラッチドチタンは注意@をご覧下さい。
F-Ti-P
(FRONT-TITAN-P
)
フロントのみ純チタンが90%以上含まれているとの表示です。テンプルはチタン以外の材質になっています。
F-Ti-C
(FRONT-TITAN-C)
フロントのみクラッドチタンを使用してある事を示しています。テンプルはチタン以外の材質になっています。
T-Ti-P
(TENPLE-TITAN-P)
テンプルの純チタンが90%以上含まれているとの表示です。フロントはチタン以外の材質になっています。
T-Ti-C
(TENPLE-TITA-C)
テンプルのみクラッドチタンを使用してある事を示しています。フロントはチタン以外の材質になっています。
F-Ti-C T-Ti-P フロントにはクラッドチタンが使用されていて、テンプルには純チタンが90%以上含まれているとの表示です。
注意@通称”張り合わせチタン”と呼ばれている、チタン材の表面にほかの金属を張り合わせた”母材”を言います。 昔は溶接しやすくするためや、メッキの強度を上げるために、別の金属をチタン材の表面に被せたりしていたのです。
 この辺が非常に分かりにくいだろうと思うのですが、表と見比べながら読んでいただけばある程度”理解”していただけるだろうと思います。特に《F−○○○ T−○○○とTITAN》の表示の商品を購入する場合には、注意が必要です!ただし、粗悪品をチタン製のように見せかけるような場合よりも、例えば『《弾力性》を強く持たせたい為に《チタン材》に別の母材を多めに入れた結果《TITAN》としか表示出来なくなってしった』と言ったケースや『複雑な加工(や処理)を施した一部分だけ、チタンの含有量が少なくなっている為《TITAN−P》表示が出来ない』等と言ったケースが増えて来ていると言った事も参考にしてください。その為、ともかく《TITAN−P》が良くて、それ以外は《品質が悪い》とは言い切れないのが実情です。
 さて、この他ですと【β-TITAN TITAN-P-β】なども、見かけるようになってきましたね。これは俗に《ベータチタン》と呼ばれるチタン材に30%前後の異素材金属元素を混合して、特に”弾力性”を持たせて”破損の防止”や”柔らかい掛け心地”を追求する場合などに使われています!?また、同じような目的で【NT−合金】も有名です。こちらはニッケルとチタンを元素数対比が 1:1 になるように混ぜた後、一定の温度で加熱して作られる《金属母材》の総称です。形状記憶合金とか超弾性合金とか色々”名前”がありますが、多少の特製の違いはあっても、基本的には同じものです(パテントの関係で製造元毎に名前が付いていると思ってください)。また、【中空チタン エアチタン】等はチタン材の中に《空洞(芯を抜いてしまってある)》を設けて、より軽さを追求しつつ、圧迫感を少なくしてモノを指しています。
 また、原材料名ではありませんが【ION PLATING (IP).......イオンプレーティング】も良く見受けます。これはチタンフレームに腐食しにくい金属粒子をイオン化してから付着・堆積させ、硬く密着性の良い皮膜をかぶせる加工法です。基本的に”強化メッキ”が掛けてあるので《剥げにくくなっている》と思ってください。チタン材はメッキの乗りが悪いので、クラッチドチタン等が、最初は便利だったようです。しかし、現在では《メッキ技術自体の進歩》や《メッキを掛ける前処理(パラジウムコーティング等の金属膜処理など)の進歩》によって、チタン材に直接”メッキ処理”を行うようになってきています。

 
追加事項 良くチタンは硬い(本文中にも登場していましたね)と言われますが”強度的”には優れていますが、実はそれほど硬い金属ではないらしいです。一般には【難削材】などと言われて、切刃が欠けたり、工具の磨耗が激しい等の問題が発生する為に『チタンは硬い金属』と思われがちですが、実際の硬度はもっとも硬い”チタン64合金(航空機のエンジン等に使われています)”でもビッカース硬度で300前後であり、刃物鋼などと比べると、それほど硬いわけではナイようです。また、錆びない(金属かぶれしない)と言われていますが(恥ずかしながら、ここからはほぼ書き写しに近いです!?)チタンの耐食性は表層の不働体皮膜により保たれていると言えます。この皮膜は安定で、かつ、皮膜が破れた時にも酸化雰囲気中では瞬時に修復されるため無機酸、塩化物、無機化合物、ガス、アルカリ等に対しても優れた耐食性を示します。しかしながら、万能ではなく弱い薬剤等も有りますので、使用条件を吟味し、使用可否判断をする必要があります。
 尚、末筆になってしまいましたが、恥ずかしながら《販売畑》でずっと働いてきましたので《メーカー、工場関係者》の方々から見ると幼稚な解説になっているかと思います。ご容赦のほど、お願いいたします(修正した方が良い点などありましたら”ご鞭撻”はありがたく頂戴させていただきます)。


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